2008-01-01から1年間の記事一覧

見逃したが、少し前のNHKの番組でシェアハウスについてやっていたらしい。シェアハウスについては手放しでは肯定できない。礼金がないことや人間的ふれあいなどを売りとしているが、不動産の高利回化として普及しだした経緯があるからである。家賃が安い…

ジャン・ジャック・ルソーの『社会契約論』は国家論としても読める。国家はその規模によって都市国家、国民国家、帝国に区分けされ、統治形式もその規模によって、都市国家では共和制が、帝国においては大統領制が相応しいとされていたように思う。水半球で…

青山学院大学SCCSのレクチャーにお邪魔する。発表者はトシオ・ワタナベ(渡辺俊夫)、バーバラ・ペナー(Barbara Penner)、今泉宣子の各氏。 渡辺さんは、明治日本にイギリスからやってきたジョサイア・コンドルが古河邸で造った「洋風」庭園が英国式庭園では…

少し時間がたってしまいましたが、建築家の鬼頭梓さんがお亡くなりになりました。 ご冥福をお祈りします。 2年前のインテリアプランニング賞の現地審査で、鬼頭さんには一度だけお目にかかったことがあります。 松畑 「あぁ鬼頭先生、あの私、(鬼頭)ルカさ…

Peter Eisenman,“NOTES ON CONCEPTUAL ARCHITECTURE, Toward a Definition,” INSIDEOUT, Selected writings ed., by Mark Rakatansky, Yale University Press, 2004 ジェーン・ジェイコブスの『アメリカ大都市の死と生』、バーナード・ルドフスキーの『建築…

汐留ミュージアムの村野藤吾展に行く。 「あぁお金がかかっているなぁ」と思う。もちろん展覧会にではない。村野の建築にである。そのうえ村野事務所の設計料は総工費の30パーセント程度だったというから、かつての大阪のタニマチの凄さを見るようでもある。…

Timothy James Clark (T.J.Clark),The Absolute Bourgeois, Artists and Politics in France 1848-1851, University of California Press, 1999, Image of the People, Gustave Courbet and the 1848 Revolution, Thames and Hudson, 1999 T.J.クラークこと…

時事ネタです このところ経済誌やタブロイド紙の一面などで「危ない不動産会社リスト」特集が報道されています。不動産9月危機説、これから不動産会社がばたばたと逝くというわけです。その理由について「サブプライムローン問題が云々」と書かれることが多…

Anthony Grafton Leon Battista Alberti Master Builder of the Italian Renaissance, Harvard University Press 2000 イタリア・ルネサンスの巨匠のひとりレオンバッティスタ・アルベルティについての最新の評伝的書物である。 冒頭ではこれまでのルネサン…

暑い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 羽田発福岡行きの始発便に搭乗すると、午前8時ごろ、高度1万メートルで広島上空を通過します。夏の午前8時はもうすっかり日が高く上り、高度1万メートルからは地上がじつにクリアに見えます。太田川…

横浜ZAIMギャラリーでの「横浜市先駆的芸術活動助成事業/パスポートお願いします。アーティストによって創作された自己証明書」展のオープニングにお誘いいただく。オープニング・パネルトークでは、在米日本人アーティストと在日コリアン・アーティストのバ…

Mark Gelernter A HISTORY OF AMERICAN ARCHITECTURE, BUILDINGS IN THEIR CULTURAL AND TECHNOLOGICAL CONTEXT University Press of New England 2001 個人的にはアメリカ建築史の授業をむこうでとって以来のアメリカ建築史本です。ちなみに建築史の試験は…

日本の郊外に大規模店舗が建ち始めたのはこの約10年あまりですが、その10年でも大規模店舗は様態を変えてきているように思えます。当初はビッグボックスストアに毛が生えた程度でしたが、最近のものは都市的要素を取り入れ、よく計算されて計画されているよ…

ギャラリーヤマグチKunst Bau |Tokyoのオープニングにお誘いいただく。山口さんにお会いするのは1999年に六本木で行われたドナルド・ジャッドのシンポジウム以来です。気分は浦島太郎。ちょっと与太話です。マンハッタンのギャラリー数は最盛期で確か800く…

ある住宅雑誌の編集の方から「建築家プロデュース」や「建築家マッチングサービス」についてどうよ、と問われましたので建築家(法律用語では建築士)の業務を含めて述べてみたいと思います。まぁ「オマエもいろいろなところで自分の個人情報さらしとるやな…

堀口捨巳は伊勢神宮について「それではいつ、今の神宮の姿になってきたであろうか。これは『日本書紀』には出てこない。しかし仏教が入ってきて、拝むべき何かを納める建物の麗しさや、崇めらるべき高さを見て、神の祭り方の中にも、新しい姿の求めが生まれ…

[:W300] このブログでもリンクを張らさせていただいている中野昌宏さんの研究室にお邪魔する。近くのフレンチでデジュネをいただいたあと、黒石いずみさんもお見えになり、与太話いろいろなお話をする。ところで中野研究室がある青山学院大学の間島記念館は…

Slavoj Zizek WELCOME TO THE DESERT OF THE REAL、VERSO、2002 買ったままだった本を読む。出版からすでに6年がたっているものの、本書を読むとたとえばテロに対しては核の先制攻撃もあり得るとするジョージ・ブッシュの発言などは、9.11直後のアメリカ国内…

人がいないところや人工物のないところで断層が隆起したり、地面が揺れたり、土砂崩れが起こったとしても、それは自然現象のひとつです。震災と呼ばれるものは人間側から見た現象、あるいは都市的現象です。 関東大震災の様子を、あぁ東の方は大変なことにな…

『新しい住まいの設計』(扶桑社)7月号をいただく。よく見ると表紙は拙作ではありませんか。光栄です。表紙を飾るとは設計者冥利につきます。内容の方は「今月の気になる家」というコーナーでの登場です。「編集部がジャンルにとらわれることなく選んだ至極…

フロイトは「住宅とは母胎の代理物である」といったことを述べている。 日本の住宅の設計者がまず読む本のひとつに宮脇壇の一連の著作がある。私もかつてひととおり読んだ。うろ覚えだが「住宅とはデレデレする場所である」(幼児退行願望)、「住宅の天井は…

今年3月29日のところで“earth hour”というイベントについて触れましたが、日本からは地方自治体の杉並区が参加したとか。 3月29日では「趣旨の是非はともかく」とも書かせていただきましたが、たとえば電力会社の説明では夜間は余剰電力を抱えています。つま…

シルビア・ラビンも挙げるようにリチャード・ジョセフ・ノイトラの住宅にはいくつかの特徴がある。スパイダーレッグと呼ばれる独特の柱梁構成、交差隅部(mitered corner)、隅部でのガラスの突付などである。最後のものはガラスという工業製品のテクノロジー…

与太話です。 関西と東京では都市の認識法が異なるのではないかと思うことがあります。たとえば大阪の場合は大雑把に「キタ」と「ミナミ」。京都だと洛北と洛南、あるいは洛西と洛東。街の基本骨格が大陸の長安からきているからか、東西南北がオリエンテーシ…

今日はこれから“earth hour”というのをやるらしい。趣旨の是非はともかく、ルーティーンな現代美術の展示よりは面白そうではある。発祥地はシドニー。ヨーン・ウツソンのオペラハウスの打ち込みタイルは北欧(デンマーク)製のヒューガネスタイルなので、弱…

麻布十番温泉がこの三月末で閉店というので、そそくさと湯につかりにいく。東京は都心に温泉がでるのですね。 ランドサットからの東京の映像を見ているとナポリを思い出します。ともに近くに有名な火山(富士山、ベスビオ山)があり、目前にはカルデラかクレ…

「ピュリスム 一九一八年フランス、総合芸術誌『レスプリ・ヌーヴォー』創刊のため、建築家ル・コルビュジエと画家のオザンフォンは協働する。ある特定の理論的意図をもって、芸術家が小集団を形成するのはこの時代の特徴である。ピュリスト・・・オザンフォ…

本居宣長『うひ山ふみ』岩波書店、1934 本居宣長『玉くしげ、玉くしげ別刊、直毘霊(現代語訳)』多摩通信社、2007 建築に関係すると神道に遭遇する場面がある。まず地鎮祭である。注連縄と幣帛によって敷地の一角にヒモロギの空間をつくり、降神の儀ののち…

雑誌『新しい住まいの設計』(扶桑社)の取材立会いでつくばK邸にお邪魔する。 本日も光に恵まれた一日となる。これもひとえに皆様の日頃の行いのおかげでしょう。 写真を撮る写真家・傍島利浩を撮る写真の図

[:W420]ロバート・ヒューズの『アメリカン・ビジョンズ』(デイビット・ワトキンの『イングリッシュ・ビジョンズ』を意識しているのだろうか)にはボストン・ボンズィーズに先行するジャポニストとして、ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラーが登…