青山学院大学SCCSのレクチャーにお邪魔する。発表者はトシオ・ワタナベ(渡辺俊夫)バーバラ・ペナー(Barbara Penner)今泉宣子の各氏。
渡辺さんは、明治日本にイギリスからやってきたジョサイア・コンドルが古河邸で造った「洋風」庭園が英国式庭園ではなく、コンドルが若い頃たまたまイギリスで流行っていたイタリア式庭園であったことや、後楽園小石川庭園は日本庭園ではなく支那式庭園を基にしていること、またコンドルが英語圏に紹介した日本庭園はこんにち日本庭園といえば思い浮かぶ京都の庭園ではなく、東京の庭園が多かったことなどをあげ、“bilateral”というより“multilateral”あるいは“multi-cultural”な関係などについて述べる。
ペナーさんは、ミシェル・フーコーの「規律・訓育(discipline)」の概念を軸に、19世紀ビクトリア朝時代の都市文化における排便・排尿の規律・訓育や、モダニズムにおけるトイレの身体からの疎外などについて述べる。
今泉さんは、明治神宮と東京の関係について述べる。必ずしも主題ではなかったが、代々木公園/占領下米軍住宅と表参道や渋谷文化圏の話などは面白そう。