2009-01-01から1年間の記事一覧

イコノグラフィーやイコノロジーがあるように、ヒスリオグラフィーやヒストロロジーがある。ヒストリオグラフィーやヒストロロジーがしっかりしていない場合、歴史家は単なるイデオローグか与太話ヲヤヂということになろう。 アドリュー・リーチ(Andrew Leac…

Georg Dehio. Ein deutscher Kunsthistoriker作者: Peter Betthausen出版社/メーカー: Deutscher Kunstverlag発売日: 2004/07メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るHandbuch Der Deutschen Kunstdenkmaeler: 1914作者: Geo…

雑誌『A+U』臨時増刊号がBIMの特集をやっている。BIM(Building Information Modeling)は三次元CADの一つで、設計作業と設計情報を三次元仮想空間で一括管理するというもの。ページにはアメリカの組織事務所が並び、ゲンスラーの名前も見える。 ゲンスラー…

感受性・史 (the history of mentality) は、アナール派 (the Annales, Annales school) から来ていたのか。ふむふむ。

先週のイージス艦きりしま(艦長が高校時代の同級生だったので)に続き、今週末も「横浜に来い」と言われ、ふたたび横浜に行く。今回は第53回ベネチア・ビエンナーレの報告会。横浜は開港150周年博覧会にくわえ、花火大会の週末とあり、結構な賑わい。 報告…

言わずもがなですが、フランク・ロイド・ライトが日本の文化からおおきな影響を受けたことはよく知られています。ディテールはともかく、大枠においてはこれは定説です。 「フランク・ロイド・ライトと東洋芸術 この反動期における唯一の例外にして最も重要…

朝から結構な雨。 日蝕鑑賞を期待していたみなさん、残念。 (ある案件に関して)警察署に事前協議にうかがうと、「こちらへどうぞお入りください」となぜか取り調べ室に通され、手錠をお召しになられた方と目が合う。 「あぁすみません。間違えました。そっ…

コロミーナかコロミナか。 言わずもがなですがスペイン系の名前は概してうしろにアクセントが来ます。下の3本のビデオでもそれぞれ0:21と0:13と0:05で「コロミーナ」と呼んでいます。 Beatrizは英語圏でビアトリーズまたはせいぜいビアトリス、スペイン語…

このブログは個人的な「レビューその他」であって日記ではないので、どなたとお会いしたとかそうしたことは基本的には書かないのですが、しかし印象に残っているお話はけっこうあって、ちょうど1年前にある方にお会いしたときのこと、覚えているところで勝手…

「近代建築理論に対して二人の同時代イギリス人建築批評家がみずからの考えを表明してきている。彼らは建築形態に関する包括的問題を互いに取り上げ、さらに議論するための土台をこれら表明によって提供した。 ジョン・サマーソン卿は1961年5月の王立建築家…

承前 「補遺 自分の批評を再読するや、私自身いささか個人的逆説に捉われていることを見出す。批評行為は距離をとって客観的であることを部分的には要求するからであり、私が述べたことのほとんどが無味乾燥で断片的に見えるからである。あるいは部分的には…

「1914年のメゾン・ドミノに遡行して近代建築が扱ってきた問題に、住宅〈としての〉建築という問題がある。近代建築が住宅を構想して以来、単に私的な寝食の場としてではなく、その集団性においても、つまり公的なアイコンとしてもそれを構想してきた。それ…

東京でも熱帯驟雨のような雨が降るのですね。 ずいぶんむかしフロリダのインターステイト・ハイウェイを走っていて、驟雨に見舞われたときのことを思い出します。それは夏の夕暮れ時の、何の前触れもない、文字通りとつぜんの豪雨でした。 路肩に寄せように…

アンドレ・ブルトン『超現実主義宣言』生田耕作訳 中公文庫 1999 1924年の(第一)宣言、1930年の第二宣言、1942年の第三宣言のための草稿からなる。 第一宣言では冒頭のポール・ヴァレリー批判、少し後ろのボードレールへのシンパシーにまず目が行く。また…

こちらの(間接)主催するこちらの企画にお邪魔する。平日昼間のフルタイムゆえ、平日昼間から飲酒するような後ろめたさ。普通のお勤め人はこないだろうと思っていたのですが、島田雅彦、加藤紘一、竹中平蔵のネームバリューを均等に配したゆえか、終始結構な…

http://www.madhut.jp/misc/K.html

私の留学時代の同級生でもある姜鎬元さんのお誘いで、中原まりさんのレクチャー@東京電機大学にお邪魔する。中原さんは現在アメリカ国会図書館のアーカイビストをされているそうです。前回お目にかかったのではかれこれ4年前で、麻布十番のイタ飯屋で故人で…

チェコセンターでの「チェコ建築としてのキュビズム 1911-1914 - プラハで生まれた奇想天外な建築様式」展関連企画、建築史家の藤森照信氏のレクチャー「チェコ・キュビスムの建築」にちぇこっとお邪魔する。事前宣伝はあまりなかったのですが、女性ファンが…

ハンネス・マイヤーって若い頃はかっこいいなぁ。 それがヲッサンになるとこうなる。しかも帽子は禿隠しだったりして。 じつはマイヤーは経営者としても教育者としてもデザイナーとしても、優秀な人だったのではないかと思えてくる。 http://www.thorstenkla…

1929年にフランクフルトで開催された第2回CIAMはミニマム住居を主題としていますが、タイゲらのミニマム住居はいわゆる安普請ということとは異なり、他方、このとき出展された有名なフランクフルト・キッチンに彼らは批判的だったようです。「ミニマム」とい…

KAREL TEIGE/1900-1951 L`ENFANT TERRIBLE OF THE CZHECH MODERNIST AVANT-GARDE Edited by Eric Dluhosch and Rostislav Svacha、 Introduction by Kenneth Frampton、 The MIT Press 1999 チェコ・アバンギャルドのカレル・タイゲについてのアンソロジーで…

西谷啓治著作集 第4巻 創文社 1987 「ニシダ・ニシタニ・キョウトスクール」の西谷啓治の著作である。前編には第二次大戦後まもなくに書かれた宗教論、後編には戦時中に書かれまた「近代の超克」や「世界史の哲学」といった議論の一角を形成していた文字通り…

日曜昼下りの青山通りを歩いていると15年ぶりだろうか、見覚えのある顔が。条件反射的に”Hi, XXXX, how`s going?”と声をかけると流暢な日本語で切り返してきます。 ブルース・ウィリス主演の映画にイエール大学を卒業した米兵がドイツ軍の捕虜となり、送ら…

薬物云々と書いていて、このご時世に業績のいいらしい業界として製薬業界を思い出しました。 まったくのうろ覚えなので不確かかもしれませんが、むかしワルター・ピッヒラーという建築家が不思議なヘルメットを考案し、頭をすっぽり覆うそのヘルメットを被る…

映画『おっぱいバレー』の主題歌であるCaocaoの『個人授業』を聴いていると、不思議なデカダンスとトリップ感があるようにきこえる。「うっとりしてしまう」、「魔法にかかったように昼も夢見ている気分」、「このまま続いていけば、きって死んでしまう」と…

高校時代の旧友にこの週末から始まる映画『おっぱいバレー』を「観にに行け」といわれ、終映に間に合うよう渋谷の人込みのなかを急ぐ。 映画『デスノート』は磯崎新の北九州市立美術館が舞台になっているというし、青山真治の新作はアルド・ロッシの門司港ホ…

「賠償提訴:京大院生の自殺「アカハラ原因」と両親 昨年3月に自殺した京都大工学研究科の男子大学院生(当時29歳)の両親が「アカデミックハラスメント(アカハラ)が原因だ」として、男性指導教授に5000万円の損害賠償を求め神戸地裁尼崎支部に提訴…

「百の深い孤独の集合がベネチアという都市を形成している。それが彼女の魅力であり、未来の男たちのイメージである」 ニーチェ ニーチェはやっぱり格好いいよな。 ニーチェばかり有難がっていても仕方ないんですけどね。

MANFREDO TAFURI VENICE AND THE RENAISSANCE trans.by Jessica Levine、The MIT Press 1995 マンフレッド・タフーリ没後の出版である。序文はほとんどマニフェストである。ミシュレやブルクハルトによって作られた「宇宙」を放棄し、「特定の」歴史へ向かう…

2009-2-04でも書きましたが建物の高さを規定するものの一つに道路斜線があります。 その道路斜線の壁面後退による緩和という手法が登場したのは中曽根民活時代だったと思います。壁面後退距離に応じて道路の反対側から立ち上がる道路斜線制限がスライドし、…