1929年にフランクフルトで開催された第2回CIAMはミニマム住居を主題としていますが、タイゲらのミニマム住居はいわゆる安普請ということとは異なり、他方、このとき出展された有名なフランクフルト・キッチンに彼らは批判的だったようです。「ミニマム」という意味には「剰余価値のない」という意味もあったとか。
タイゲらはソ連の建築に失望しますが、たしかソ連の建築技術で進んだものにプレファブ技術があり、黒川紀章が学生時代、モスクワでの世界建築学生会議に出席し、そのとき持ち帰ったものに当地のプレファブ技術他のテキストがあったと思います。ミニマムをプレファブでという点で、のちのカプセル建築やカプセル・ホテルといったアイデアの本を辿っていくと、意外と初期CIAMあたりまで遡行できるかもしれません。