構造家の大野博史さんの杉並永福の集合住宅のオープンハウスにお誘いいただく(建築(意匠)設計は中永勇司+高木昭良)。旗竿敷地であるゆえ、東京都安全条例の「長屋」形式で計画された(たぶん)建物。
イカーを想定したという建築はシュールな中庭(安全条例・長屋の「巾2m以上の通路」)を持つもので、賃貸物件とは思えない仕上がり。剛性と遮音性と蓄熱性に富み、しかし断熱性には欠けるRCの湾曲界壁を構造体とし、外皮はALC板と曲面加工したボードで軽く薄くと、メリハリのきいた構造計画。中庭の曲面はバイクの回転軌跡というより、限られたなかで採光補正係数をとるのにききそう。その中庭に向いた各室の窓は視線がぶつかりにくいよう高めにとってある。いずれにせよこの立地でこの仕様でこの家賃は、お住み得だ。建築自体の設計監理はもちろんのこと、きっと利回り計画の立て方もうまかっちゃんに違いない。
株式会社アールエイジ伊藤さま、ぜひともご一緒にお仕事をしましょう(揉み手+擦り手+スマイル)。