京からかみ

  千田堅吉 『唐長の「京からかみ」文様』 紫紅社文庫 2003









「からかみ」は「唐紙」ではなくあくまで「からかみ」。日本の「かみ」なのである。「からて」も「唐手」ではなく「空手」と書く。からかみにはおおきく京からかみと江戸からかみの二種類があって、京からかみは版木によって文様を作るのに対し、江戸からかみは版木だけでなく、型紙やブラッシングなど文様の技法に多様性がある点が、大きく異なるといわれる。京からかみの文様は趣味によって「武家好み」、「公家好み」、「寺社好み」、「町屋好み」などに分かれている。
江戸からかみはまだ十数軒ほどの紙屋さんが残っていますが、京からかみで残っているのはこの「唐長」さんだけです。絶滅危惧種みたいですがな。京都の人たちも「京都はむかしからアバンギャルドですねん」とかいって変なもの造るのも結構ですが、「絶滅危惧種」が絶滅してからでは手遅れなんちゃうかぁ。


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