「人々に耳を傾け彼らを理解することがなければ、建築家は自らの名声と虚栄のためにのみ建築を作るただの人になるかもしれず、彼がなさねばならないリアルな作品はできなくなってしまう。・・・建築家は職人でなければならない。もちろん扱う道具は何でもいい。今日の道具には、コンピュータや実験モデルや数学なども含まれるかもしれない。しかしながらいまだに職人術なのである・・・職人術とは手の仕事から心の仕事を分離できないものの仕事のことである。これはアイデアから図面へ、図面から実験へ、実験から建設へ、そして建設から再びアイデアへと再帰する循環過程を含んでいる。私にとってはこの循環過程は創造的な仕事の根本をなすものなのである。残念なことに多くの人がこの過程のそれぞれの段階を独立したものとして受け入れねばならないようになってきている。・・・創造的な仕事をしようと思えば、チームワークは欠かせないものである。チームワークは耳を傾け、対話しようとする能力を要求するのである」。
レンゾ・ピアノ


「誰も彼にそれを頼んだわけではない。誰も彼に感謝するわけではない。彼は軽業師のたいへんな世界に生きているのである」。
ル・コルビュジエ


二つとも前掲書での引用。