与太話です。
関西と東京では都市の認識法が異なるのではないかと思うことがあります。たとえば大阪の場合は大雑把に「キタ」と「ミナミ」。京都だと洛北と洛南、あるいは洛西と洛東。街の基本骨格が大陸の長安からきているからか、東西南北がオリエンテーションになっています。港町の神戸は例外です。地表に主な手がかりのない大陸では天体の動き、つまり東西南北が重要なオリエンテーションだったのでしょう。
いっぽう東京の場合は山手と下町というオリエンテーションが意外と大きいのですね。地質的に言えばだいたい皇居から西の関東ローム層と、東側の堆積地ということになるのかもしれませんが、もっと言えば山側と海側をオリエンテーションにするというのは、島よ文化だろうかと思ったりします。江戸の町を描いた浮世絵にはたしか前景の街路の平行線の消点が後景の富士山に一致しているものがあったと思います。
関西は漢文化の名残があり、東京は太平洋文化圏に属するということでしょうか。